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    復興支援をして下さるみなさんへ

    • 2013.08.23 Friday
    • 01:38

     原発事故をきっかけに、人々のものの見方は、大きく分かれたのではないかと感じています。

    私たちは、3.11以降に出会った関係がほとんどで、この問題に対する価値観が共通である仲間との出会いは、本当にかけがえのないものであり、原発事故後に、共に乗り越えてきた困難は、それまでとは比較にならないほど大きなものでした。

    価値観が変わり、生き方も変わったという話はよく聞くことで、あの時、居ても立っても居られずに被災地に足を運んだという方に、今までたくさん出会ってきました。

    足を運ぶことはできないけれど、なにかできることをしたいと、様々な思いを届けて頂いたり、サポートをして頂きながら、私たちは全国のみなさんに励まされる日々です。

    放射能による被害は目には見えないために、なかなか真実が伝わりにくく、実害がわかり辛いという問題があります。

    津波の被害とは根本的に異なるものだということは、お分かりだと思いますが、この問題は将来に渡って、解決のめども立っておらず、問題を煙に巻かなければ成り立たないビジネスというものが背後に存在しているために、被害を小さくみせようとする力が働いているという、前に進みたくても進めない理由があります。

    国が前に進ませようとしているのは、子どもの命や健康を守るための対策ではなく、原発事故という大惨事を利用してでもメリットを受け取ろうとしている一握りの富裕層のための、命よりも経済優先の動きです。

    復興を頑張っている被災地を応援しよう!と言われても、具体的な対策が進まずに守られていない私たちの、何を応援して下さるのかという具体的な中身は、食べて応援であったり、観光であったりと、元に戻ったことが前提の応援は、根本的な問題から視点を逸らすものです。

    食品の安全性についても、放射能による影響に対して問題視をしている私たちは、基準値についてはもちろん測定の仕方や検出限界などについても注目しており、流通しているからといって安全と言えるのか?という目線を持っていますが、流通しているものは汚染されていないものだと思わせるような情報ばかりの中、実態を知ることは困難です。

    私たちは、原発事故によって初期被曝を強いられ、既に大きなリスクを背負っているという立場から、放射能に対して感受性の強い子どもたちには特に、これ以上のリスクを背負わせることはできないということを主張しています。

    目には見えない放射能は、市民を守る対策を遅れさせ、原発再稼働を目指す国の政策によって、情報は得たいと思う人しか得ることができない現状を生み出しています。

    原発事故によって大量被曝を強いられた私たちの被害について、責任の所在も未だに追及されないままに放置されているということは、どこまで知られているでしょうか。

    ふるさとを追われ、家族がばらばらになったまま、戻りたくても戻れずにいる私たちの友人の声は、届いているでしょうか。

    このような事態をなんとかしたいと思っている私たちの存在は、ごく一部の声でしかないという厳しい状況の中、有名人の方々も加わりながら加担している誤った復興支援は、更に私たちを、そして子どもたちを守らないように追い込むものです。

    福島の人が困っているから助けなければならないというその思いは、とてもありがたいものです。

    しかし、その困っている内容が実害ではなく「風評被害」と言われた途端に、その誤った復興支援に胸が痛むのです。

    起こっていることの真実を追及することなく、復興支援に関わることは、責任重大です。

    ここに暮らす子どもたちは、放射能の影響を受けながら、被曝をしながら、それぞれの事情によって避難できないままここに居ます。

    被害を受けていないのに、風評によって苦しめられているという見方は誤りであり、もしも福島のリアルを追及したいと思われるのであれば、中途半端ではなく、正しい情報を得て頂くことをお願いしたいのです。

    復興支援に携わる方々が、どこまで真実を追及し、見つめているのか・・・

    子どもたちが風評被害の払拭のためのキャンペーンに利用されることなどはあってはならないことであり、導く大人たちの存在なくして、それはあり得ないことです。

    「原発事故の影響から子どもを守るためにどのような取り組みがされているのか、ご存知でしょうか」と問いかけ、お考えを聞かせて頂けば、その方がどれほどこの事態を把握されているのかを知ることができます。

    本当の復興とは、子どもの未来を最優先に守る事であり、子どもたちの命と健康を後回しにして経済復興ばかりを急ごうとしている今の福島県のあり方は、子どもたちに胸を張って「君たちの未来を守っている」と言えるものではありません。

    子どもたちの未来を守るための対策を取りながらも経済復興はできるはずだと私たちは思うのですが、学校給食に地産地消を取り入れることを急いでみたり、汚染のある地域への帰還を急がせてみたりと、まるで的はずれで方向性を誤ったままの復興の在り方は、誇りを失った大人たちの迷走としか思えません。

    そのような福島県であるということをお伝えすることは、本当に困難であり、誤った復興支援の影響が大きくなるほど、私たちの声はかき消されて行ってしまいます。

    問題は福島にとどまったものではなく、近隣はもちろん影響は広域まで及んでいることや、安全基準が緩められたことにより、汚染された食品はどんどん全国に流通し、どこに住んでいようが内部被曝のリスクは免れない事態にまでなってしまっているという現実を、なんとかしなければという議論には、いつになったら移ることができるのでしょうか。

    きちんと原因を究明して、なぜこのような事態を引き起こしてしまったのかと見つめ、その誤りを正すという責任ある目線を持たなければ、また同じ過ちを繰り返すことになってしまいます。

    誤った形の復興支援は、過ちを繰り返すことを助長してしまいます。

    未来へ向かって・・・などという漠然とした言葉の先にはなにがあるのでしょうか。

    何を持って、この状態で未来に向かうことができるのでしょうか。

    みなさんの優しい思いによる復興支援のあり方によって、私たちの悲しみが更に大きくならないことを願っています。

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