原発事故が起こった福島で、子どもを守るための動きはどうなっているのかと、海外メディアからの取材を受ける機会も増えました。
つい先日は、フランスのテレビ番組の制作のため、TEAM ママベクが取材を受け、撮影を行いました。
母親たちがこの事故を受けて、どういった取り組みを行っているのかということは、全世界が注目をしていることです。
測定の目的や、今後の方向性についてはもちろんのこと、原発事故後のこの国の対応、行政の対応、教育現場の対応がどうであったのか、それによって市民はどのような影響を受けているのか
何を感じ、何を学んだのかと、たくさんの質問を受け、私たちは答えました。
混乱の中から、どのようにして立ち上がっていくのかということは、今ここに生きる私たちの行い次第です。
私たちは、この現実を受け止めながら、子どもたちに残す未来を最優先に、様々なことを考えていきたいと思っており、それは全世界共通の、あるべき姿だと思っています。
数々の取材を受ける中で、私たちのスタンスも変化しつつあります。
この原発事故についてどのように受け止めているか。
この取材で感じたことは何か。
あなたの住んでいる国で、原発事故が起こったらどのようになると思うか。
子どもたちは最優先に守られるか。
私たちとしても聞いてみたいと思うようになり、逆取材をさせてもらっています。
みなさん、真剣に考えて答えて下さいますが、起こってみなければ分からないことを、想像することは難しいとおっしゃいます。
ただひとつ共通しておっしゃることは、子どもは真っ先に、全力で守らなければならないということであり、日本の事故後の対応については、驚くことがたくさんあるということです。
例えば、学校給食での地産地消などは、クレイジー以外のなにものでもなく、信じられないと、私たちと同じように感じている。
それから、母親たちは声を大にしてみんなで子どもを守っているであろうという想像は、全く違っていたということに、大変驚かれます。
あなたたちがマイノリティだなんて・・・信じられない。
なぜ??
本当に、私たちもそう思います。
この国の、原発事故に対する反応というものは、今まで存在しながらも表面には見えていなかった、様々な問題を見せつけました。
私たち、母親の立場として見えてきたことは、このような時代でありながらも根強く存在する男尊女卑の名残や、人と同じようにしなければ不安に思ってしまうという横並びを良しとする価値観など
声を上げづらい国民性のようなものを強く感じます。
そういったことが海外からは理解されづらいのですが、丁寧に説明をする中で、う〜ん・・・とうなりながら、なるほどそういうことかと、深い反応が返ってきます。
フランスのことで言えば、原発は安全であるという認識が強く、市民の間では原発については、いいか悪いかの議論しかされていない。
この福島の事故で、原発事故は起こるのだという意識が芽生えた。
事故の状態や国の事情によっても異なると思うので難しいが、私たちの取材を通して知ったことを最大限に伝えることで、市民の意識を高めることに繋げたい。
そして、子どもたちを守るためのあなたたちの活動に、心から敬意を表すると、ディレクターがおっしゃっていました。
私たちは、同じ過ちを繰り返さないために、原発事故が起こるとどういったことになるのかということを全力で伝えて行かなければならないと思っています。
原発事故を経験した私たちから、世界へ向けて発信するメッセージは、平和への心からの願いであり、あなたたちならどう向き合うかという問いかけでもあります。
私たちにはやらなければならないことがたくさんあります。
世界中が平和になるよう、心を込めながら、乗り越えていきたいと思っています。