その中では、「学校での集団検査は半強制的であり、子どもの人権問題にも関わるなど」として、その見直しが必要だとする内容の意見が出され、今後、評価部会では検査の縮小に向けた提言を検討委員会に行うと言われています。
以下の動画の1:50のところからの高野徹氏の発言によれば
「十分な情報を与えられず、しかも強制力を持って検査を行われているという面もある、これは現場の先生がたも認められたことなんで。これで何が起こるかというと、まずはやはりこれは子供の人権問題なのでそれに関する批難が起こる可能性がある。特に我々がこれを見逃していると、こういう検査を推し進めたという批難を受けるということは十分に予想される」と、これは現場の先生方に対するヒアリングの内容であって、直接県民から聞いた意見ではないということが話されています。
では、県民の声はどうなのでしょう。
以下の「県民の声」とりまとめは、平成28年9月14日第24回県民健康調査検討委員会の資料ですが、この中の意見には「検査縮小」の話はなく、「子どもの人権問題である」という話もありません。高野徹氏は「現場の声」と言いながら、実際の県民の声とは程遠い意見を全体の意見にすり替えているように感じます。
http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/182606.pdf
甲状腺検査に関しては、「放射線の影響は考えにくいと報道されているが、それなら自覚症状が出てから検査をするべきではないか。検査受診は子どもやその親への負担になっている。」という意見もありますが、これは「放射線の影響は考えにくい」ならばという前提に立っての意見です。子どもの人権問題という意見はなく、むしろ検査拡充の声の方が多いと思われます。
「県民の声」とりまとめの詳細は、要望書の下のところ↓に載せておきますので、ぜひご覧になってください。
*
この度の学校での甲状腺検査縮小に向けた動きに対し、私たちは多くの母親の声を受けて、以下の要望書を福島県に提出します。
要望書の中にもあるように、原発事故という大事態に向き合っている私たちには、子どもの健康を見守って行くという責任があります。
甲状腺検査の縮小という議論は、その重大性に対する認識を欠いたものであり、この現実から目を背けず、長期的に向き合っていきたいという私たちの思いとは大きく異なるものです。
間もなく原発事故からは7年が経過しますが、事故はまだ収束の目途も立っていないという現実は忘れてはいけないことであり、先の見えないことであるゆえ、長期的に向き合っていくという覚悟が必要だということを、ひとりひとりが認識しなければならないのだと思います。
これまで行われてきた県民健康管理調査検討委員会の中で、、平成27年までの3年半甲状腺検査を統括していた鈴木眞一先生は、甲状腺検査は「検診」ではなく「健診」であると仰っています。 つまりこれは、 特定の病気を早期発見するための「検診」ではなく健康状態を調べる「健診」であると。
であれば、身長や体重を測るためのことと同様であり、人権問題にはなり得ません。
もし、「甲状腺検査は学校健診であり、授業時間を一部利用して行なっているため強制性があり人権問題である」という主張が成り立つとすれば、身長・体重を測ることも「人権問題」ということになってしまいます。変な話ですね、、、
※「県民健康管理調査」検討委員会第 2 回「甲状腺検査評価部会」議事録(P31)より
http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/62600.pdf
原発事故後、私たちは大きな矛盾を抱えながら生きることになりました。
しかし、その矛盾の中に子どもたちを巻き込んでしまうことについては、そのあり方を特に問わなければならないのだと思います。
*
福島県知事 内堀 雅雄 様
県民健康調査課課長 鈴木 陽一 様
2018年2月14日
要望書
私たちは、原発事故による影響から子どもを守るため、母親同士で会を立ち上げ、これまで様々な取り組みを行いながら地域を越えたネットワークづくりを行ってきました。この度は、甲状腺検査についての議論の中で、学校で行われている集団検査が強制性を持つもので「子どもの人権問題だ」などということが話されていることについて、それらは私たち県民の捉え方と大きく異なる見解であるということを強くお伝えしたく、多くの母親らの思いを受けてお願いをしに参りました。尚、この件については平成28年9月に「福島県民健康調査における甲状腺検診で、検査規模の縮小ではなく、検査の維持を求めることについて」の請願が他の母親たちから提出され、県議会はほとんどの議員が賛成されて採択されていることはご存知の通りで、福島県議会のホームページにも掲載されています。私たち県民にとっての安心につながったこの採択が、なぜ覆されようとしているのでしょうか。繰り返しになりますが、「子どもの人権問題」などという話は、福島県内の親たちから出ている話とは思えませんし、そのような事実はないはずです。子どもの人権問題を取り上げるのであれば、検査のあり方以前に他の地域では考えられない20mSv/年以下の地域に帰還させるというような非人道的な政策こそ改めるべきではないでしょうか。
今となっては取り返しのつかない被曝の問題について、私たちにできることは限られています。その限られたことのひとつである健康調査について、それすらも必要のないこととして縮小するということは、とても大きな問題です。また、甲状腺検査という重要な取り組みについて、子どもたちに判断を委ねるなどということは事態の重大性を見誤った無責任な話であり、これは民法の規定にも反することだと思われます。子どもの人権という言葉を用いて、大人の責任を放棄するためのすり替えの議論をするのではなく、私たちは、大人としての責任を果たすためにもこの現実に向き合い、社会全体として長期的な取り組みを続けていけることを願っています。どうか、私たち県民にとっての更なる不安につながるような誤った判断をしないでください。このような理由により、以下の要望を致します。
1、原発事故による影響を調査することについては、子どもたちの人権を守るためにも、大人が責任を持って取り組むという姿勢を示してください。
2、県民健康調査の甲状腺検査については、子どもたちの健康状態を見守っていくため、長期的に継続をしてください。
3、原発事故による影響を詳細に調べるためにも、甲状腺検査の学校での集団検査を続けてください。
4、健康影響については長期的な見守りが必要であり、二十歳を過ぎれば安心できることではありません。二十歳以降は成人となり自主的判断が可能です。受診率の高低に関わらず、最低でも希望者に対し二年ごとに受診できるシステムを構築して下さい。
5、長期にわたる検査のために、現在でも700億ほどの福島県民健康管理基金が存在しています。本来の目的の通り、この基金を有効に使う政策を望みます。
いわきの初期被曝を追及するママの会
*
「県民の声」とりまとめ
(平成28年9月14日 第24回県民健康調査検討委員会資料より)
意見・要望
出所:県民健康調査課への電話・メール、医大コールセンターへの電話、甲状腺検査出張説明
会・出前授業、避難者交流会・相談会等
基本調査に関すること
1 個人ごとの行動記録は異なるのに、代表性の線量評価は無謀ではないか。
2 外部被ばく線量の推計期間は、4ヶ月間だけでは不十分ではないか。
甲状腺検査に関すること
(対象者、検査体制等について)
1 事故後に生まれた子どもの検査をして欲しい。
2 震災当時福島にいてその後自主避難した人は検査の対象で、震災後引っ越してきて今も
福島にいる人が検査を受けられないのは変だ。
3 大人にも通知を出して検査を推奨するべき。
4 19歳以上の進学等のために県外へ転出した対象者に対して、もっと受診を促すべき。
現在の対応では足りず、受診率が低下していくのは見え見えだ。
5 20歳以上について、5年ごとの検査間隔は長すぎる。
6 成人後も2年おきに検査を実施して欲しい。
7 県外での検査は施設と曜日が限定されており、土日の検査も少ない。いつでも受けられ
るようにして欲しい。
8 学校で行う甲状腺や内部被ばく検査で授業の時間がつぶれているのはおかしい。
9 いつまで検査を続けなければならないのか、いつになったら大丈夫だと判断できるのか
示して欲しい。
10 一般会場での説明ブースは良い取り組み。医師から画像を見せられて説明を聞けたので
安心した。
11 交通費が自己負担なのは原発事故に起因する検査で自分に非がないのにおかしい。
12 甲状腺検査サポート事業について、甲状腺の手術費を税金で支出するのはおかしい。甲
状腺がんと原発事故についての因果関係をはっきりさせた上で、手術費等の負担者を決
めるべき。
(県外での検査について)
13 環境省が福島県以外(弘前、甲府、長崎)で検査を実施したが、自分の市でもやって欲
しい。
14 関東も放射性物質が多く飛んでいるのだから、他の地域も検査をするべき。
?−1
15 原発の放射線の影響がないところの子どもの検査結果との比較を発表して安心させて
欲しい。
(放射線の影響評価について)
16 これだけ甲状腺がんが出てきているのに、「放射線の影響は考えにくい」というのはおか
しい。
17 放射線の影響はないと言っているが、悪い方に考えて県民を守るのがあなたたちの仕事
ではないのか。放射線の影響を念頭に置いてやらなきゃ駄目だ。
18 「放射線の影響は考えにくい」ではなく「分からない」とするべきではないか。
19 「影響がない」という結論を先に決めているのだろう。結論ありきだ。
20 放射線の影響は考えにくいと言っているが、では原因はなにか。いつになったら影響は
ないとかあるとか判断するのか。
21 放射線の影響は考えにくいと言うが、では見つかっている甲状腺がんは何が影響してい
るのか教えて欲しい。原因が分からないのに否定的な物言いをするのはおかしい。
22 放射線の影響は考えにくいと報道されているが、それなら自覚症状が出てから検査をす
るべきではないか。検査受診は子どもやその親への負担になっている。
23 初期被ばくのちゃんとした測定もせず、チェルノブイリとの比較や地域差がないことだ
けで「放射線の影響とは考えにくい」と書くのは恣意的。見直してもらいたい。
24 震災時5歳から甲状腺がんが見つかったのに放射線の影響とは考えにくいとはどうい
うことなのか。
25 甲状腺がんの原因を究明することに真剣に取り組まなければならない。
26 遺伝子検査等より突っ込んだ検査を行い、原発事故の影響について明らかにして欲しい。
27 ねずみ等で動物実験を行って、放射線の影響についてはっきりさせるべきだ。
28 県の検査の枠外で自主的に検査を受けたデータもあわせて総合的に検討するべき。
29 放射線の影響かどうかが知りたいのではなく、がんになった後のケアについて不安に思
っている。
30 放射線の影響評価のために子どもに検査を受けさせている訳ではない。
31 県外の人たちが騒いで、放射線の影響でがんが出ていると言っていて迷惑している。
(情報発信について)
32 何かあれば放射線のせいだとされてしまう。こういったことにならないためにも県とし
て基本的な知識等について広く説明する必要がある。
33 知事はもっと(甲状腺検査に関する)情報を発信すべき。
34 甲状腺検査だけ特出しして、情報発信や報道がされると逆に不安を煽るのではないか。
35 二次検査以降保険診療に移行した者たちの情報をなぜ公表しないのか。
(その他)
36 検査を受けること自体負担で、結果が出るまで不安でいっぱいになる。
?−2
37 自分の子どもが甲状腺がんになったらどういう気持ちになるか考えて欲しい。
38 不安なんて解消されない。
39 若い方々は、本当は心配しているが口に出さないだけである。
40 外科部門の先生から実際の現場の話を聞きたい。
健康診査に関すること
1 原発事故でどのような影響が見込まれるから、どのような項目を検査するといった体系
だった検査・調査がされていないと感じる。
2 甲状腺がんのみならず、白血病や白内障等他の症状についても取り上げ検査するべき。
3 避難区域の人はすぐに避難してそこまで被ばくしていない。福島に留まっていた人の方
が被ばくしているのに、健診等の機会が避難区域の人よりも少ないのはおかしい。
4 避難区域で区切っているが、県内全域、いや県外だって汚染されているのだから健診項
目について避難区域内外で統一するべき。
5 疾患が増えたとかではなく、予防に役立てるようなコメントや助言をしてほしい。
6 健康を見守るといいながら、第一にデータだけを集めるように感じる。
7 放射線の影響がないと言っているのに健診を継続していることを矛盾に感じる。
こころ・生活習慣に関する調査に関すること
1 要支援ではない人へも個人別の分析(結果通知書)が届くようになったのは良いことだ。
2 結果はもっと早く送って欲しい。
妊産婦に関する調査に関すること
1 放射線被ばくによる子孫への影響が不安である。
2 平成23年度回答者に対するフォローアップ調査(追加調査)はありがたい。見守られ
ているという気がする。
ホールボディカウンター(WBC)による内部被ばく検査に関すること
1 不安の強い人に対しては、内部被ばく検査と尿検査をするのがいいのではないか。
2 自分たちで計算できるよう、預託実効線量ではなく測定値で公表するべき。
3 検査では放射性物質を検出される方がほとんどいないという話を聞く限り、検査するこ
とが不安の解消につながるとは思えない。もっと建設的な税金の使い方を考えた方がい
いのではないか。
4 いつまで内部被ばく検査を実施する予定か。
?−3
「県民健康調査」検討委員会に関すること
1 もっと県民の意見を反映させるべきだ。
2 県民にもっと寄り添い、県民の意見を聞く機会をたくさん設けて欲しい。
3 検討委員会の資料の作り方が悪く見にくい。
4 甲状腺検査評価部会はいつ開催されるのか。早く開催す
相 談
出所:「放射線と健康」相談会
1 委託先 一般社団法人 福島県医師会
2 期 間 平成 27 年度(平成 27 年 6 月 13 日〜平成 28 年 3 月 19 日)
3 開催地 県内全域
甲状腺(検査)に関すること
・自分の住んでいる市も今後小児甲状腺がんが増加する可能性があり、非常に心配している。
現在できる対策を教えて欲しい。
・子どもが初回の検査でB,二次検査でA2判定となったが、それ以上の説明がなく納得で
きないでいる。
・22歳と18歳の子どもがいるが、甲状腺検査の必要性がどれくらいあるのか。
・子どもたちの甲状腺がんが増えていると報道されているが、放射線の影響で成人の甲状腺
がんも増えると聞いている。今後このまま住んでいて問題ないのか心配である。
・県立医大の検診は信用していない。どこか検査を受けることができる医療機関を紹介して
欲しい。
・今後、甲状腺がんの危険性を低下させるために何かできることはないか。
・自分自身が甲状腺腫大に気がついた。ここに住み続けて大丈夫か。
・甲状腺が腫れているため医大で検査をしてもらったが、原発事故との関係はわからないと
説明された。本当にそうなのか。
・県民健康調査で子どもたちの甲状腺がんがたくさん見つかっているが、どう考えても普通
のこととは思えない。どのように考えれば納得できるのか教えて欲しい。
食品に関すること
・普通の食事で、放射線の影響はどれくらいあるのか。
・隣近所から露地栽培野菜をいただくときがあるが、放射能汚染がないかどうか心配。
・震災直後の原発が爆発後、山菜を多くもらい食べていた。今になって少々心配。
・小学校給食を食べさせているので不安や心配がある。食材を測るのではなく、できあがっ
た給食を測っているので、それぞれを調べて欲しい。
・両親が自家製野菜を送ってくれるが、食べさせても良いか。
・山の食物は何年後に食べられるようになるか。
・ペットボトルの水を利用してミルクを作っていたが、今後は水道水で大丈夫か。
・夫が山登り好きで原発後も再三登っている。秋にはきのこ、春には山菜など好んで食して
いる。最近体に変調を起こしている。免疫が弱まり、イライラしているように感じる。
?−5
空間線量に関すること
・自分の住んでいる市は空間線量が高い場所が比較的多いと聞いており、今後の生活が心配。
・子どもに対し現在の放射線量は、健康影響の心配ないかどうか。
・山の線量は測っているのか。
・普段外遊びをさせているが、大丈夫か。
・3年くらい前にアパートの窓近くや玄関近くの線量が高かったが大丈夫か。
医療被ばくに関すること
・レントゲンを20回ぐらいとっており、放射線の影響が心配。最近、頭痛があったり心配。
・CT検査を繰り返す時には、間隔を空けたほうが良いのか。
・子どもが歯科でCTを撮るように繰り返し言われている。原発事故で多少なりとも被ばく
していると思うので、CT等によりさらに被ばくを受けることには反対で拒否している。
子どもに関すること
・放射線の子ども、胎児への影響はあるのか。
・放射線の遺伝性影響についてはどうか。
・広島の原爆被害者の骨髄骨異常性症候群の関連から大丈夫とは言えないのではないか。
・放射線が気になるが、外遊びをさせている。口内炎ができやすいと心配している。
・外で活動する運動を希望した場合やお弁当の持参など、外部被ばく・内部被ばくの危険性
は少しでも軽減したいと思っているので、子どもたちに対しどう対応していけば良いか非
常に悩んでいる。
・とにかく子どもたちの将来が心配で、子どもたちの事を最優先で考えたいが何が最も良い
ことなのか考えれば考えるほど分からなくなる。
・保育士としての自分の立場で何ができるのか、今後の対応の仕方を教えて欲しい。
・今まで保育園に預けている子どもの外遊びを禁止してきたが、一体どの程度の線量になっ
た時に子どもの外遊びを許してもいいのか、その基準があれば教えて欲しい。
・保養プログラムであちこちに休みのたびに保養に行かせている。福島県からの子どもでか
わいそうとちやほやされている状況を見ると、わがままに育たないか心配。
避難・移住に関すること
・母子避難から戻ってきてから、放射線量を気にしながらの生活。夫もその両親も全く理解
がなく、一人だけ追い詰められている気がする。
・母子避難しているが、放射線の危険性について相談できる人がいない。
・母子避難していたが、戻ってくることとなった。久しぶりに帰ってきて、生活する上での
注意点など教えて欲しい。
?−6
・母子避難から戻ってきた。子どもたちの健康を考えると帰ってきたことが正しかったのか
どうか確信が持てない。
・事故後に県外へ避難したところ子どもがうつ病になってしまった。どのようにすれば良い
か。
・県外へ移住する事が決まったが、移住先で地域になじむ前に差別される可能性を心配して
いる。
放射線に関する情報発信に関すること
・私自身も時に何が正しいことなのか、全く分からなくなり不安な状況により、それを見て
いる子どもたちもさらに不安になっている。正しいことは何か、教えて欲しい。
・放射線の影響としては分からないこともたくさんあると思うが、できるだけ正しい情報を
伝えて欲しいと思っている。分かる範囲での危険性と、それを回避する方法を教えて欲し
い。
放射線の健康影響一般に関すること
・子どもの鼻血が頻回。朝起きると鼻血がついている。
・子どものアトピー性皮膚炎について、震災以前からあるが原発事故以降悪化してきた。被
ばくが原因のようにも思えるがこのようなことを主治医にも聞けない。
・事故当初あまり気にせず過ごしてしまった1年が子どもの将来に影響するのではないかと非常に心配している。
・放射性物質は体の中に残るのか。
・よくサーフィンをしていて、海水を飲んでしまう。健康への影響はないのか。
・震災以降便秘になった。放射線の影響などもあるのかどうか心配。
その他
・自分の被ばく量を知りたいが、検査はどこでできるか。
・広島、長崎の原爆による被ばく量はどのくらいか。
・子が除染作業員。被ばくが心配だが、ガラスバッチやマスクをしていない。
・ガラスバッチを服の内側に付けていても良いか。
・福島の復興のために働いているが、十分な給料ではなく、資金繰りが大変。保障は受けら
れず、精神的にも困っている。
?−7
]]>
原発事故からもうすぐ7年が経ちますが、様々な経験と共にたくさんの出会いも重ねてきたこれまででした。
突然の大事態を前に無我夢中で動いてきたあの頃を振り返れば、ほんとうにいろんなことがあったな・・・と思いますが、今はそういった無我夢中の行動というよりは、いまだ収束の目途も立たない長期的な問題を前に、私たちには何ができるだろうかという淡々とした姿勢でできることをやり続けて行くだけ、という冷静さの中に立っている、という感じでしょうか。
淡々と続けてきた測定活動は6年目を迎え、今も残り続ける汚染の実態に向き合う日々を送っていますが、「ほんとにこれでいいのかな・・・」と焦りを感じるほどの風化の中で最近起こった、原点に返るようなエピソードについて紹介させて頂こうと思います。
被曝を防ぐためには、目には見えない汚染の実態を調べ続けることが必要ですが、除染作業は一通り終わったし、汚染の調査はもう必要のないことのようになってしまっているというのが今現在の様子です。
そのような中、お子さんの通う幼稚園の敷地に、事故直後の汚染土壌を詰めた土嚢袋が今も置いたままになっているという情報を入手したママのお話です。
大切な子どもを守って行くために、子どもの環境について、汚染の実態はどうなのかも含め関心を持ち続けていれば、様々な情報を入手する機会や出会いも多いのでしょう。
私たちは、これまで2度、その幼稚園にもお邪魔して測定も行って来たのですが、フェンスで囲んで子どもたちが入らないようにしてあったということもあり、その土嚢袋の存在に気付くことはできませんでした。
同じように測定を行う市民がその土嚢袋の存在に気付き、遮蔽の仕方などをアドバイスし、園はその通りに遮蔽のための工夫をしていたそうです。
行政が行った除染ではないので、敷地から持ち出すことはできないというのは、まさに私たちも今対応を求めている問題なのですが、園としてもそこに留めておくしかないための仕方のない措置だったのだと思います。
しかし、そのことを知ったママは、勇気を出して園長先生に不安な思いを伝えたそうです。
その話を聞いた時、この、「勇気を出して思いを伝える」ということがいかに大きな壁かという、事故直後のことを思い出しました。
すべてはここから始まっている
その思いがあける扉は大きいのだけれど、でもそれは、なかなか手をかけられない扉でもある・・・。
「運び出しはできないと言われていたけれど、それができることになったと園長先生から連絡をもらいました」という知らせが、そのママから届きました。
勇気を出して伝えたことが園長先生に届き
園長先生の願いが、行政に届いたそうです。
私たちは測定の結果をいわき市に報告し、協議の中では子どもたちの被曝防護のために必要な対策を求め続けています。
原発事故という未曽有の事態に向き合っていくために私たちは測定を続けています。
市民の声が、具体的な対策に繋がります。
私たちは、測定の結果が生かされることを願っています。
市民のネットワークに感謝!
園長先生の行動に感謝!
ママの勇気に拍手〜
]]>
[ 研究会 ]
使用言語:フランス語 (同時通訳付き)
日時: | 2017年10月14日(土) 10:00〜18:30 |
---|---|
場所: | 1階ホール |
講演者: | セシル・浅沼=ブリス(日仏会館・日本研究センター及びリール第1大学 協力研究員)、千葉由美(いわきの初期被曝を追及するママの会)、 アンヌ・ゴノン(同志社大学)、濱岡豊(慶応義塾大学)、影浦峡(東京大学)、牧野淳一郎(神戸大学)、ティエリー・リボー(フランス国立科学研究センター、リール第1大学)、小豆川勝見(東京大学)、滝川雅之 (東京大学,+ JAMSTEC )、辻内琢也 (早稲田大学)、吉田千亜 (フリーランスジャーナリスト) |
* 日仏会館フランス事務所主催の催しは特に記載のない限り、一般公開・入場無料ですが、参加にはホームページのイベントカレンダーからの申込みが必須となります。警備強化のため、当日の受付に際しては身分証明書の提示をお願いしております。
]]>2015年11月から行ってきた2巡目の測定も2月には終了し、教育委員会学校支援課、除染課、こどもみらい課にその結果を提出しました。
2015年11月〜小学校(67校)
2016年4月〜中学校(39校)
2016年8月〜2017年1月(予定)
幼稚園・保育園・保育所(84箇所)
※公立は全て。私立は希望があったところのみ。
2巡目の測定箇所は、190箇所でした。
国の予算で行う除染事業は今年度(29年3月)を持って終了ということになり、今後は福島県が新たな対策を設けて対応をすることになるそうです。
原発事故から6年が経過し、様々な対策は必要のないものとされてしまっていますが、事故はまだ収束したわけではなく、汚染もなくなったわけではありません。
目には見えない放射線に向き合う対策はまだまだ必要だと伝えながら、教育委員会学校支援課、除染課、こどもみらい課との協議の際に、ママベクによるモニタリングの継続を求めました。
それが受理され、3巡目の測定も行うこととなりましたので、ご報告を致します。
「TEAM ママベク 子どもの環境守り隊」では、子どもたちの保育、教育の現場の測定をメインに行っていますが、近くに公園がある場合などは、公園のモニタリングを行うこともあり、問題があれば行政に報告をするということも行っています。
子どもたちが過ごす環境の中で、「ここの線量はどうなんだろう・・・。土壌汚染はどうなんだろう・・・。」という場所が、まだまだあるのではないかと思います。そのような不安な声を受け止める場として、毎月カフェ活動も行っていますので、ぜひ、ご参加ください♡
「ママcafeかもみーる」
http://ameblo.jp/chamomile311/
私たちの活動をサポートしてくださっている、愛知県名古屋市在住のイラストレーター「Atelier Chabata」 の茶畑和也さんに、測定プロジェクト「TEAM ママベク」のイラストを描いて頂きました。
茶畑さん、ありがとうございました
モニタリングポスト
線量計
ランドセルを背負った子どもたち
お母さん
これは、原発事故後の風景。
世界にひとつのイラストです。
「TEAM ママベク 子どもの環境守り隊」を、引き続き、よろしくお願い致します。
]]>
未曽有の大事態は実際に起こり、日常とはなんだったのかと、思い出すことも難しく感じるほど、あの出来事は私たちの暮らしを変える、大きな出来事となりました。
その影響については、果たして5年の間に重ねたデータだけで結論が出せることなのでしょうか・・・
いろんなことはまだまだ分からないままだというのが、誠実な見解なのではないでしょうか・・・
県民健康調査のあり方について、福島国際専門家会議組織委員会のみなさんが、私たち県民のリスクを考慮して出してくださった提言の内容は、私たちにとっては、原発事故に蓋をするような、冷たいものであり
県民の健康と命を守るためのあるべき姿勢としては、慎重にその経過を見て行くことを阻むようなものであってはならないと、私たちは思っています。
この流れを受けて、私たちは以下のような要望書を提出致します。
本来の目的を見失わず、正しいあり方で向き合い続けて頂けることを、心から願います。
福島県知事 内堀雅雄様
県民健康調査課課長 小林弘幸様
原発事故により被害を受けた、県民の命と健康を守るため、
県民健康調査の正しいあり方を求める要望書
2016年12月21日
いわきの初期被曝を追及するママの会
日頃のご尽力に、心からの感謝を申し上げます。
私たちは、原発事故という未曽有の出来事を経験し、子どもの未来を守って行く上で一番問われることは、いかに現実を直視し、向き合っていくかという揺らぎない覚悟だということを、これまで痛感して参りました。原発事故の影響を直視する時、身体的な影響と、心理的な影響、どちらも存在しているということは事実であろうと思います。しかし、未来ある子どもたちを育てて行くという責任の重大さを考えれば、私たちの心の不安を理由に、身体的な影響を調査するための検査体制の縮小を望むなどということは、あり得ないことだということは、第一にお伝えしなければならないことです。
原発事故の影響についての捉え方を個人に委ねられたことにより、甲状腺エコー検査などの集団検診を受けないことを選択する保護者はこれまでも存在しており、受診については、もともと強制ではありませんでした。なぜ受診しないのかの理由については、県民健康調査自体に対する不信感によるものだという、多くの母親の声が存在しています。その不信感に関しては、まだ5年しか経っていない原発事故の影響について、慎重に経過を見て行くことではなく、結果を出すことを急ぎ、県民健康調査における甲状腺がんの多発は原発事故による影響ではないという結論を出すことによって、更に大きなものとなり、受診率が下がるのではないかということを、私たちは危惧しています。つまり、検査の縮小に向けた動きというものは、県民を守るためのものではないと、私たちは受け止めざるを得ません。
東京電力福島第一原発事故の健康影響を調べる福島国際専門家会議の組織委員会は9日、県に県民健康調査の甲状腺検査の課題解決に向けた提言を行い、9月の会合で出された「甲状腺がんの増加が原発事故に起因するとは考えられない」などとする専門家の評価を踏まえ、国際的知見を参考にした検査の今後の方針の決定、検査を受けた人や家族への説明、ケアの充実などを助言したことについて、被災者として生きることを余儀なくされた私たちの内側にある苦悩を無視するような、血の通わない提言であると、私たちは受け止めています。早期発見、早期治療を目的とした、本来の県民健康調査のあり方を見失うことなく、「私たちは国から見捨てられるのではないか、切り捨てられるのではないか」という県民の不安を大きくすることなく、県民に寄り添い、縮小ではなく拡充を目指して頂けることを心から願います。
結論を急ごうとする専門家の意見ではなく、この問題に長期的に向き合っていかなければならない私たち、県民を主体として、話し合いを行って頂きたく、以下のことを要望します。
要 望 事 項
1、甲状腺エコー本格検査のお知らせについて、3巡目からは説明文が変更されており、検査自体がデメリットになるかの印象を受けるような文面になっています。この内容は、早期発見早期治療の目的にも反しますし、検査を受ける子ども達の差別につながりますので、この文面を撤回し、2巡目の内容に戻すこと、特に学校検診を現状通り継続することを求めます。
2、県民健康調査では、全ての県民を対象に、甲状腺がんに限らず検査項目を増やし、短いスパンでの定期的な検診を行い、県民の疾病の予防、早期発見、早期治療に向けた念入りな取り組みを行って頂けることをお願い致します。
以上
*****
http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2016/12/post_14514.html
【国際的知見参考に 甲状腺検査 専門家会議組織委が県に提言】(福島民報 2016.12.20付)
東京電力福島第一原発事故の健康影響を調べる福島国際専門家会議の組織委員会は9日、県に県民健康調査の甲状腺検査の課題解決に向けた提言を行った。9月の会合で出された「甲状腺がんの増加が原発事故に起因するとは考えられない」などとする専門家の評価を踏まえ、国際的知見を参考にした検査の今後の方針の決定、検査を受けた人や家族への説明、ケアの充実などを助言した。
9月26、27の両日に福島市で開かれた第5回会合で出された医療や放射線などの専門家の意見をまとめた。検査の今後の在り方を決めるのに当たって、甲状腺がんの早期発見のメリットや検査が県民に与える不安などさまざまな点を考慮するとともに、他の国のプログラムや専門作業部会による国際的な提言などを参考にするよう助言した。検査による県民の不安の解消に向けて、検査の意義や結果のより丁寧な説明や精神的ケアの実施などを求めた。
第5回会合の議論の要約では福島の検査で発見された甲状腺がんなどの増加は「被ばくの影響でなく、集団検診の効果であると考えられる」との見解を示した。年少の児童にがんの増加が見られず、県内全域で症例の頻度がほぼ同じであることなどを根拠に挙げた。
組織委員会の笹川陽平日本財団会長、喜多悦子笹川記念保健協力財団理事長、山下俊一福島医大副学長は9日、県庁を訪れ、内堀雅雄知事に提言書を手渡した。笹川会長は「県民の心的ストレスへの適切な対応や正しい知識の普及に努めるとともに福島の知見が世界で生かされるようにしてほしい」などと述べた。
県民健康調査検討委員会で今後、提言を踏まえた検査の改善などを協議するとみられる。
【福島国際専門家会議組織委員会による甲状腺検査などへの提言の骨子】
・甲状腺検査は個人と集団全体のリスクと便益、他の国々の同様のプログラム分析などを考慮した上で決定されなければならない。健康調査と甲状腺検査は自主参加であるべきである。
・甲状腺の異常が発見された場合の対応や治療法を含めてコミュニケーションを行うことなどが検査を受けた人や家族には不可欠。支えるためのネットワークづくりと専門家がより必要になる。
・福島の経験を国際社会と共有するために国際機関と国内組織との共同事業が強化される必要がある。
・県と国内外の関係機関との協力の一つに原発事故の健康影響の低減と健康モニタリングに関する課題を取り上げる専門作業部会がある。甲状腺検査の今後についても専門的な提言を受けられる可能性がある。国、県、市町村、住民と提言を共有し、検査の改善につなげるべきである。
(カテゴリー:福島第一原発事故)
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2015年11月から行っている2巡目の測定も、来年の1月には終了する予定です。
2015年11月〜小学校(67校)
2016年4月〜中学校(39校)
2016年8月〜2017年1月(予定)
幼稚園・保育園・保育所(84箇所)
※公立は全て。私立は希望があったところのみ。
2巡目の測定箇所は、190箇所でした。
いわき市は広いので、一通りを終えるまでには、1年以上の時間がかかります。
四季折々の風景を眺めながら、ぐるっと一回りして、また、寒い冬の到来です
雪が降ると測定はできなくなってしまうので、冬の測定は、雪が降りそうなところを優先にするなど、季節によっての工夫も必要です。
1巡目の時は、なにもかもが初めてということもあり、「もっとこうすればよかった・・・」という反省がたくさんありました。
2巡目の測定ではその反省を生かしながら、より入念な測定を行い、データのまとめ方についても、測定結果が子どもたちの環境改善に結びつくようにと、かなり詳細に行っています。
原発事故という未曽有の出来事が起こり、私たちは「何が必要なのか」ということを自らが考えなければならないところに立たされました。
初めてのことに向き合っていくためには、既存のやり方ではなく、新しいことを創造していかなければなりません。
身の上に降りかかってみて初めて感じる必要性。
目には見えない放射線の問題に向き合うため、私たちが必要性を感じた行動は、汚染を可視化させるということでした。
事故前の環境に戻すことは不可能であったとしても、できる限りの安全を手に入れるためには、受けた被害を証明するという、新たなライフワークが必要になりました。
被害を受けたことを自らが証明しなければ、防護のための策を求めることができないということは、とても大変なことでもあります。
求めなくても当たり前に守られるようなやさしい社会になりますように・・・私たちは、そんな未来を心から願っています。
測定データがまとまり次第、子どもの環境改善に向けて、いわき市とデータの共有をし、協議を行います。
北風が強く吹く中で、子どもたちは元気に遊んでいます。
現場の先生方には、いつも快く受け入れて頂き、ご協力を頂いています。
引き続き、どうぞよろしくお願い致します。
TEAM ママベク 子どもの環境守り隊 メンバー一同
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以下の要望を参議院議員の増子輝彦さんに提出しました。
国に対する要望としても県民の声を届けて頂き、本来あるべき対応を、共に求めていけることを願います。
福島県民健康調査における甲状腺検診の長期的な継続を求めるための要望書
平成28年9月17日
参議院議員 増子輝彦 様
いわきの初期被曝を追及するママの会
<要望の趣旨>
この度の、福島県小児科医による県に対する「甲状腺検査規模の縮小」の要望について、私たち、子どもを持つ家庭の親たちは、とても驚き、動揺をしています。原発事故という未曽有の事態が起こり、私たちは多くの不安を抱えながらここに暮らすこととなりました。将来、どのような影響が表れるのかも分からないという状況の中、健康不安に寄り添う体制までもが縮小されてしまうということは、更なる苦しみを強いられることにも繋がります。
今後のあり方については、本格検査の状況から考えれば、検査縮小ではなく、検査間隔の短縮などの充足が必要であると考えます。今後も、検査の本来の目的である、「早期発見、早期治療」という軸を揺らがせることなく、受診を促すための積極的な呼びかけを行って頂けることを願い、要望致します。
<要望事項>
以上
*
2016年8月8日付けの民友新聞の「原発事故の健康影響を調べる調査の在り方を議論している県民健康調査検討委員会は早ければ9月にも、甲状腺検査の対象者縮小や検査方法の見直しを視野に入れた議論に着手する。」という内容、福島県小児科医による県に対する「甲状腺検査規模の縮小」の要望は、私たちにとって、とてもショックなものでした。
子どもの甲状腺検査を巡る議論については「原発事故の影響とは考えにくい」とされていますが、原発事故から5年半しか経っていない今は、まだまだ長期的な経過を見る段階にあり、影響についての結論を出すには早過ぎるというのは言うまでもないことです。
また、未曽有の事態を起こしたことに対する責任の取り方においても、幕引きを急ぐようなことはあってはならないものだと思っています。
そもそも県民健康調査の目的は、疾病の予防、早期発見、早期治療につなげ、将来にわたる県民の健康の維持、増進を図ることだったはずで、この時期に検査縮小の方向性を議論することは、この目的に反することです。
2巡目のお知らせでは「受診することをおすすめいたします」と書かれていましたが、3巡目の「甲状腺検査のお知らせ」は、デメリットを強調し、受診を躊躇させるような印象を受けるような内容になっています。
また、通常のがん検診と被曝を受けた甲状腺がんのハイリスクグループである福島県民が、同列のものとして論じられてもいいのか?
県知事と医大理事長の連名で文書が出ていますが、本来行政としては2巡目の時のように受診を勧めるべきなのでは?
など、多くの疑問点が含まれています。
放射線被害については事故から30年以上経過したチェルノブイリの例を見ても、まだまだ解明されていないことだらけであり、分からないことに向き合っていかなければならないという現実の中では、データの有無はとても大きな問題です。
大事な問題であるのにも関わらず、受診率低下を招くような呼びかけを行うことは、私たち被害者が更なる不信感を抱くことにもつながります。
原発事故という未曽有の出来事が起こってしまった事実を変えることはできません。
であれば、何が必要なのかということを真剣に考え、出来うる限りの最善を尽くすことが、今を生きる大人たちに問われているのだと思います。
どうか、誠意を持って向き合ってほしいということを切に願います。
「甲状腺検査見直し議論へ 県民健康調査検討委、対象者縮小も視野」
(2016年8月8日 福島民友)
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160808-098813.php
原発事故の健康影響を調べる調査の在り方を議論している県民健康調査検討委員会は早ければ9月にも、甲状腺検査の対象者縮小や検査方法の見直しを視野に入れた議論に着手する。
事故当時18歳以下の全県民が対象の甲状腺検査は大きな転換期を迎える。検討委の星北斗座長が7日までに、福島民友新聞社の取材に明らかにした。
甲状腺検査の対象者は約38万人。検査で見つかったがんについて、検討委は「現時点で放射線の影響とは考えにくい」としている。
検査見直しを視野に入れた議論が始まる背景には、精度の高い検査を行うことで、放射線と関係なく以前から一定割合ある「潜在がん」が見つかるケースへの懸念がある。
治ることが多い甲状腺がんは一律のがん検診による「死亡率の低下」というメリットが生じにくく、検診は世界的に推奨されていない。このため、「検査を受けること自体が受診者の不利益になり得る」との声が医療関係者から上がっていた。
こうした意見を受け検討委は、〈1〉18歳を超えた県民を今後も検査対象にするべきか〈2〉受けない選択を難しくしているとの指摘がある学校での集団検診の方法を改めるべきか―などの論点について議論を始めるとみられる。
「規模縮小含め見直し要望 甲状腺がん検査で福島県小児科医会」
(2016年08月26日 福島民友)
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160826-103916.php
福島県小児科医会の太神(おおが)和広会長は25日、県に対し、原発事故発生時の18歳以下の県民を対象とした甲状腺がん検査について、検査規模の縮小も含めた見直しを求める要望書を提出した。
太神会長は、規模を縮小しても、放射線被ばくによる影響の有無などを把握することは可能との認識を示した。
要望書では、検査で甲状腺がんや「がん疑い」と診断された患者は172人(3月末現在)に達し、児童や保護者、県民には健康不安が生じていると指摘。科学的な証明ができるような検査体制の確立や、受診者の同意を得た上での検査などを求めている。
太神会長、市川陽子常任理事、酒井英明理事が県庁を訪れ、井出孝利保健福祉部長に要望書を提出。井出部長は「検査の見直しにはさまざまな意見がある。今後の県民健康調査検討委員会の中で最善の方法を見つけていきたい」と答えた。
一方、患者らでつくる「311甲状腺がん家族の会」は23日、がんの早期発見と治療ができる環境整備が重要だとして、検査規模を縮小しないよう求める要望書を県に提出している。
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全国のみなさんにご協力を頂きました、子どもたちを内部被ばくから守るための全国署名と要望書を、いわき市教育長に提出してから、9か月が経とうとしています。
http://ansinmama.jugem.jp/?eid=13
約1年半に渡って続けて来た要望は教育長の判断によって却下され、2014年の12月から、地元産米の使用はスタートしました。
その際に、「強制ではなく、不安な家庭についてはお弁当またはご飯の持参も認める」と選択肢が設けられ、希望があれば申し出るという方法が取られることになりました。
しかし、この件は地元産米に切り替わるというお知らせがされた2014年10月にお便りが配布されましたが、申出書は希望した家庭のみに配布されるため、存在を知らなければ、申し出ることができません。
要望書提出後の2014年12月に教育長との面談を行った時にも、新入学時の説明会の際、全家庭に周知をしてほしいというお願いをしましたが、残念ながらそれは実行に移されず、各学校長の判断に委ねられることとなりました。
教育委員会との協議を続ける中で、新入学児の母親らからの情報を得て、前回の協議(5月)の際に改めて依頼をしたところ、教育委員会として、次のような決定をしたと回答がありましたのでお知らせ致します。(7月1日の協議の内容)
これまで、アレルギーや腹痛、放射能による不安などによる、給食、ご飯、牛乳などの停止、再開の申し出書は、6種類に分かれていましたが、今後は用紙をひとつに統一し、新たな申出書を作ることになり、来週には各学校を通して全家庭に配布されることになります。
教育委員会のホームページからもダウンロードが可能になります。
http://www.city.iwaki.fukushima.jp/kyoiku/somu/hokentaiiku/020976.html
また、このような選択をすることによって、同調圧力による子どもの負担は大きくなることや、デリケートな問題であるのにも関わらず、先生からの心ない対応で深く傷つくパターンもあることなど、現場からの声として細心の注意を払うように、先生方に伝えてほしいということも、強く要望しました。
目には見えない苦しみや悲しみを見過ごすことなく、その後の影響についても想像力を持って心を配ってほしいということは、これまでも何度もお伝えしています。
なかなか伝わりにくいことですので、具体的な例を出してイメージしてもらったりと、私たちとしてもできる限りの伝える努力は重ねています。
力不足ではありますが、このような結果となりました。
以下は、27年度4月末の時点での、お弁当持参、ご飯のみ持参の生徒数です。
※()の中は26年度9月との比較です。
しかしこれは、「身体の健康を守るか」「心の健康を守るか」のどちらかを選ばなければならないという苦渋の選択を強いられた結果の数字であり、不安に思いながらもそれを行動に移すことができないという実態が潜んでいます。
複雑な問題によって、矛盾だらけの世界になってしまった原発事故後の暮らし。
言葉に表すことのできない苦しみを、なんの罪もない子どもたちに背負わせることになってしまったことは、とても重たい現実だと感じています。
お弁当持参の生徒数 小学校 8名(+6)
中学校 4名(+2)
ご飯のみ持参の生徒数 小学校 224名(-54)
中学校 37名(-1)
以上です。
『脅威の社会に服従していいのか?リスクの社会を受け入れていいのか?』
〜リスク・コミュニケーション コミュニケーションの危機を語ろう〜
使用言語:日本語 (通訳なし)
日時: 2015年06月14日(日) 10:00 - 18:30
場所: 日仏会館フランス事務所 1階ホール
人間の営みが引き起こした最も大きな脅威のひとつが、2011年の震災のときの福島第一原発の事故で具現化されたにも関わらず、再びリスク・コミュニケーションという言葉が浮上するようになって2年が経とうとしている。
巧みな言葉の錬金術により、人間が引き起こすリスクと自然災害によるリスクは、「リスク」というカテゴリーで一括りにされてしまっている。原因管理について考えることは、もはや今日的意義がないように見えるが、ウルリッヒ・ベックの著書のタイトルにあるような、例外的な状況を普通としてしまう恐れのある社会である「リスク社会」を生きるのを認識することは我々の今後の課題である。今日のリスク・コミュニケーションの役割とは何なのだろうか。どのような目的で、誰に向けられているのだろう。リスク・コミュニケーションは情報ツールか、防衛の手段か、それとも、忍従、服従化のための道具なのだろうか。
【登壇者】島薗進(上智大学)、長谷川公一(東北大学)、鵜飼哲(一橋大学)、セシル・浅沼=ブリス(CNRS)、國分俊樹(福島県教職員組合)、後藤忍(福島大学)、名嶋義直(東北大学)、神田靖子(大阪学院大学)、影浦峡(東京大学)、鈴木真理(はっぴーあいらんどネットワーク、郡山)、千葉由美(いわきの初期被曝を追及するママの会)、鴨下祐也(避難生活を守る会)
【学術責任者】セシル・浅沼=ブリス(日仏会館・日本研究センター、CNRS、Clersé)
【主催】日仏会館フランス事務所、 Clersé (フランス国立科学研究センター・リール第 1 大学)、LIA HPDR
当日プログラムPDF
* 参加者限定の研究セミナー等を除き、特に記載のない限り、日仏会館フランス事務所主催の催しはすべて一般公開・入場無料です。席数に限りがございますので、事前のお申し込みをお願いいたします。