調査したのは、母親8人で活動する「TEAMママベク子どもの環境守り隊」。昨年10月から今年3月にかけて、GPS連動型の空間線量自動記録システムを使って、各校の敷地内の空間線量の濃度分布図をつくった。このとき、線量が高かった地点では改めて地上1メートル付近で3回測り、平均値から線量を算出した。また、そこの土は市民が野菜などの放射性物質濃度を測定するNPO法人に持ち込んだ。

 守り隊は、75校中19校で、国による除染の長期目標である「年間1ミリシーベルト」に相当する毎時0・23マイクロシーベルトを上回った、と市に通知。市教委が4月に改めて19校の空間線量を測った結果、16校に0・23を上回る地点があることが判明した。

 とりわけ高かったのが、中央台南小(同市中央台鹿島2丁目)の校庭の毎時0・4〜0・5マイクロ。市が5月14日、校庭の37平方メートルの土を入れ替える追加除染を実施したところ、同0・12〜0・18マイクロまで空間線量の値が下がったという。

 追加除染は通常、国と協議のうえ国の交付金で実施するが、今回は市の負担による単独実施だった。その理由について、市除染対策課の担当者は「運動会の実施が迫っており、協議する時間が無いと判断した」と述べ、あくまで例外だと強調している。残る15校は同0・3マイクロ程度といい、追加除染に向けて国と協議する構えだ。

 5日にいわき市内であった測定結果の報告会には、約60人が集まった。メンバーの千葉由美さんは取材に「行政を批判せず、『地域の子どもを守る』という同じ目線で思いを重ねた結果だ」と話した。

 調査結果はNPO法人「いわき放射能市民測定室たらちね」のホームページ(http://www.iwakisokuteishitu.com/)で閲覧できる。(伊藤弘毅)

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「TEAMママベク」は、小学校の測定を終えた後、希望のあった私立の幼稚園の測定を行い、その後、公立の幼稚園の測定を行いました。今現在は、中学校の測定を行っています。

今後も継続して活動を続けて参りたいと思っています。引き続きのご協力を、どうぞよろしくお願い致します。